日本大百科全書(ニッポニカ) 「連合法」の意味・わかりやすい解説
連合法
れんごうほう
Act of Union
1840年、イギリス議会を通過した、アッパー・カナダ、ロワー・カナダの両植民地の統合を規定した法律。41年2月に施行され、アッパー・カナダはカナダ西部、ロワー・カナダはカナダ東部の行政区に再編された。統合された連合カナダ植民地は、両地域からそれぞれ42名の選出議員で構成される一つの立法議会をもつことになった。しかしカナダ東部の民法、荘園(しょうえん)制、教会の特権については、この法律はなにも触れておらず温存された。連合法制定の背景には、37年のアッパー、ロワー両カナダにおける反乱と、その結果を視察・調査したダーラム卿(きょう)の報告(1839)があった。ダラムは、とくにロワー・カナダ反乱の主因をイギリス系とフランス系の対立にあるとし、両植民地を統合することにより、フランス系の人々のイギリス系への同化吸収を勧告した。しかし、連合法による両地区同数の代表選出は植民地政治の行き詰まりをもたらし、1867年、同法にかわるイギリス領北アメリカ法の施行、すなわちコンフェデレーションConfederationが実現することになった。
[大原祐子]