遠回(読み)とおまわり

精選版 日本国語大辞典 「遠回」の意味・読み・例文・類語

とお‐まわり とほまはり【遠回】

〘名〙
① まわり道をすること。遠方迂回(うかい)すること。
西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉七「ちかみちだか遠(トホ)まはりだか」
② ある程度距離を置いて、その物のまわりを回ること。
破戒(1906)〈島崎藤村〉七「鼻をうごめかして、塩の周囲を遠廻りするものばかり」
③ (形動) いたずらに多く手数をかけること。まわり遠いこと。また、そのさま。
雪国(1935‐47)〈川端康成〉「ただこの女がほしいだけだ、それを例によって遠廻りしてゐるのだ」

とお‐まわし とほまはし【遠回】

〘名〙
① まわり道をさせて送ること。迂回(うかい)させること。
※遠乗会(1950)〈三島由紀夫〉「遠まはしにこのふしぎな集会見物に輪を作った」
③ (形動) 露骨に示さないでそれとなく言い表わすこと。直接でなく間接的にすること。また、そのさま。婉曲(えんきょく)
咄本・鹿の子餠(1772)鞠「息子親父、遠廻(トヲマハ)しの異見

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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