遠遠(読み)とおどお

精選版 日本国語大辞典 「遠遠」の意味・読み・例文・類語

とお‐どおとほどほ【遠遠】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. ( 形動 ) 非常に遠いこと。きわめて遠方であること。また、そのさま。
      1. [初出の実例]「つねにみなそばにゐぬものなれば、とをどをにあるものを」(出典:寸鉄録(1606))
    2. ( 形動 ) きわめて疎遠であること。久しく音信がないこと。また、そのさま。
      1. [初出の実例]「亜米利加には復度々来玉ふ事もあらんなれど此地へ来ますは遠々(トホトホ)に候はん」(出典婦女の鑑(1889)〈木村曙〉二二)
  2. [ 2 ] 〘 副詞 〙 ( 「と」を伴って用いる ) 相手から離れているさま。
    1. [初出の実例]「Touodouoto(トヲドヲト) ヒカエタ」(出典:日葡辞書(1603‐04))

えん‐えんヱンヱン【遠遠】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用タリ 〙 はるかに遠いさま。
    1. [初出の実例]「亦嫌風穴山之遠遠。往返蹤慵者也」(出典:本朝文粋(1060頃)八・避暑対水石詩序〈大江匡衡〉)
    2. 「ゑんゑんたる大海の上に」(出典:曾我物語(南北朝頃)六)
    3. [その他の文献]〔李商隠‐離席詩〕

おん‐のんヲンヲン【遠遠】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用タリ 〙 ( 「おんおん」の連声(れんじょう) ) =おんおん(遠遠)
    1. [初出の実例]「過去遠遠(ヲンノン)のむかしより、今日今時にいたるまで」(出典:浄業和讚(995‐1335)中)

おん‐おんヲンヲン【遠遠】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用タリ 〙 遠く隔たっているさま。はるかであるさま。「過去遠々」と熟して用いる。えんえん。おんのん。
    1. [初出の実例]「上下の差別有を見に付ても。過去遠遠の流転の事のみ観る也」(出典:康頼宝物集(1179頃)下)
    2. [その他の文献]〔李商隠‐離席詩〕

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