遺伝性掌蹠角化症(読み)いでんせいしょうせきかくかしょう(その他表記)Hereditary palmo-plantar Keratosis

家庭医学館 「遺伝性掌蹠角化症」の解説

いでんせいしょうせきかくかしょう【遺伝性掌蹠角化症 Hereditary palmo-plantar Keratosis】

[どんな病気か]
 手のひらと足の裏の皮膚の角質(かくしつ)が厚くなる病気です。遺伝性ですが、出生時から症状があることも、数年してから出てくることもあります。
 症状や経過、合併症、それに遺伝型によっていくつかの型に分けられます。ウンナ・トースト型では胼胝腫(べんちしゅ)(たこ)のような角質増殖(かくしつぞうしょく)が、手のひらと足の裏全体にできます。フェルネル型では、以上の症状に加え、手と足のふち赤みが出ます。皮膚の一部をとって顕微鏡で調べると組織の性状にちがいがあります。どちらの型も常染色体優性遺伝(じょうせんしょくたいゆうせいいでん)です。赤みをともなった角質の増殖が手のひらと足の裏全体のみならず、手の甲(こう)や足背(そくはい)におよぶ型もあります。
[治療]
 治療は、角質をやわらかくする角質軟化剤の外用が主ですが、赤みが強いときはステロイド軟膏(なんこう)を使うこともあります。
 白癬菌(はくせんきん)や細菌が感染して、悪臭の原因になることがあります。この場合は抗真菌薬(こうしんきんやく)や抗生剤の外用を行ないます。症状が強い場合はエトレチナート製剤という薬を内服しますが、副作用があるので注意が必要です。

出典 小学館家庭医学館について 情報

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