那波氏(読み)なわうじ

改訂新版 世界大百科事典 「那波氏」の意味・わかりやすい解説

那波氏 (なわうじ)

上野国那波郡の在地領主。鎌倉幕府の成立とともに,京都から法曹官僚として招かれ幕府の宿老となった大江広元に那波郡が与えられ,その子宗元から那波氏が始まる。宗元の子政茂は評定衆となり,幕府内で重きをなした。室町幕府成立後は,鎌倉府の奉公衆として活躍し,親類豊後に西遷した大友氏の利根荘の代官請負などをおこなった。15世紀前半の永享の乱,結城合戦などには管領で上野守護の上杉氏に属し,その一族は,上野の国人一揆である上州一揆の成員として登場する。戦国時代には上野国に進出した上杉謙信に撃砕され,後北条氏を頼って勢力回復をはかった。やがて16世紀の80年代,上野国のほとんどが後北条氏の勢力下に入ったとき,本領を回復し,厩橋(まやばし)に人質を送っていた。家臣には久々宇,昆沙土,大河原,馬見塚,宮子井田,今井などの那波郡内の在地領主がいた。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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