郡津村(読み)こおづむら

日本歴史地名大系 「郡津村」の解説

郡津村
こおづむら

[現在地名]交野市郡津一―五丁目・幾野いくの一―六丁目・松塚まつづか梅が枝うめがえ私部きさべ四丁目

現交野市の北西端、低平な台地に位置し、東高野街道が通る。同街道は村の南西端で磐船いわふね街道と交差する。古代からの交通の要地であり、郡門・郡戸とも記され、交野郡衙の所在地といわれる。字地に御茶屋おちややがあり、貝原益軒の「南遊紀行」に「香津の茶屋八幡より一里、京より五里余、是よりわざと大道をばゆかずして、東の方梨作村を経て、私市に至る、獅子窟と岩船をみんため也」とある。当地は街道筋に面して賑い、文政年間(一八一八―三〇)の末頃には生魚や酒を売る店も現れたと伝える。

「河内国小松寺縁起」に引く久安元年(一一四五)の近衛天皇綸旨に郡戸郷がみえる。この綸旨の真偽は検討を要するが、縁起は応永二六年(一四一九)に書写されたことは事実とみられるので、それ以前から郡戸の地名があったことは確かであろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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