都多村(読み)つたむら

日本歴史地名大系 「都多村」の解説

都多村
つたむら

高家たいえ庄内の村。山科家領。応安三年(一三七〇)八月七日の播磨国宍粟郡徳王寺檀那願文(熊野本宮大社文書)によると、「播州宍粟郡都多村」徳王とくおう寺の住持範翁が熊野本宮大社(現和歌山県本宮町)に願文を捧げている。徳王寺は現山崎町中野なかのに高野山真言宗の寺院として所在する。正長元年(一四二八)一二月日の山科教高目安状案(山科家文書)に「高家庄内之都多村各別相伝拝領」とみえる。「建内記」同年一〇月一七日条によると、この日は賦の日(受理した訴状を点検して担当奉行に配る日)であり、万里小路時房は高家庄直務および都多村などについて室町幕府管領畠山満家へ訴状を提出した。このように高家庄と同庄都多村は別個に扱われており、都多村をめぐって高家庄領主万里小路家と山科家との間に相論が起こった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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