都水分神社(読み)つげみくまりじんじや

日本歴史地名大系 「都水分神社」の解説

水分神社
つげみくまりじんじや

[現在地名]都祁村大字友田

友田ともだ坂窪さかくぼ山に鎮座。旧県社。祭神速秋津彦はやあきつひこ命・天之水分あめのみくまり神・国之水分くにのみくまり神。縁起には「水分大明神者御裳洗川之余流、天照皇大神之分神也」とみえる。創祀は不詳であるが、「延喜式」祝詞に「水分坐皇神等能前尓白久、吉野宇陀つけ・葛木登御名者白」とある都水分神にあてられる。天平二年(七三〇)の大倭国正税帳(正倉院文書)に「都神戸」がみえる。承和七年(八四〇)一〇月七日従五位下を奉授(続日本後紀)、仁寿二年(八五二)七月官社に列し(文徳実録)、天安三年(八五九)一月二七日従五位下より正五位下に進階、同年(貞観元年)九月八日風雨祈願のため奉幣されている(三代実録)。「延喜式」神名帳山辺やまべ郡に「都水分神社大、月次新嘗」、同書四時祭に「吉野、宇陀、葛木、竹谿等水分」とみえ、祈年祭には馬一匹を加えられた。応永三一年(一四二四)作、貞享元年(一六八四)書写の水分大明神垂跡記(久保家文書)によると、元慶三年(八七九)山口つげやまぐち神社(現都祁村)のある小山戸おやまと高山たかやまに神の降臨があり、寛平三年(八九一)高山下端に木造瓦葺の社殿を造った。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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