都治本郷(読み)つちほんごう

日本歴史地名大系 「都治本郷」の解説

都治本郷
つちほんごう

[現在地名]江津市都治町

那賀郡北東部、北は後地うしろじ村、東は邇摩にま波積北はづみきた村・波積本郷。村の中央部を東から西へ都治川が貫流する。「延喜式」兵部省諸国駅伝馬条にみえる古代山陰道の樟道くすち駅は当村の八幡宮の鎮座する引馬いんばの地に置かれたとの説がある。慶長五年(一六〇〇)関ヶ原の戦直後の九月二五日付で徳川家康は都治村など石見国七ヵ村に禁制を布告した。当時、後地村・黒松くろまつ村とともに都治郷を構成していたが、ここでいう都治村は都治郷の中心地であった本郷地区と推定される。同七年八月大久保長安による検地が猪飼太郎助を奉行として行われ、都治本郷・黒松村・後地村とそれぞれ独立の行政村が成立した(「那賀郡都治之内黒松分御検地帳写」森家文書)。近世期は石見銀山付御料として郷田ごうだ村に置かれた郷津ごうつ口番所の添村として番所の日用経費や修復費用を負担した(「石見国郡中入用其外取計定書」重富家文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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