都神社(読み)さつとじんじや

日本歴史地名大系 「都神社」の解説

都神社
さつとじんじや

[現在地名]常陸太田市里野宮町

里野宮さとのみや町の中心部低地の杉木立の中に鎮座祭神は立速日男命(速経和気命)。旧郷社。「常陸国風土記」および社伝によると、立速日男命が松沢まつざわ(現瑞竜町松崎)の松の木に降臨し、里人の不敬不浄に祟るので、延暦七年(七八八)に一社を建てて祀り朝廷に奏請したところ、片岡大連が遣わされて祭事を行い、高山浄境に鎮座すべしと告げたので、久慈・多賀両郡境近くの賀毘礼かびれの峰(現日立市入四間町の御岩おいわ山)に移った。しかしこの山は険しく里人が参拝に苦しんだので、大同元年(八〇六)祠を里野宮の小中島こなかじまに移したという。

「三代実録」の貞観八年(八六六)五月二七日条に「授常陸国従五位上勲七等薩都神正五位上」とあり、また同一六年一二月二九日条には「授常陸国正五位上勲七等薩都神従四位下」とあり、「延喜式」神名帳には久慈郡七座の一としてみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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