都野津村(読み)つのづむら

日本歴史地名大系 「都野津村」の解説

都野津村
つのづむら

[現在地名]江津市都野津町

那賀郡北東部にあり、日本海に臨む半農半漁の村。北東は和木わき村、南西神主かんぬし村。村域の大部分は砂丘地帯で水田は奥部のやまうち地区が主体である。慶長五年(一六〇〇)関ヶ原の戦後徳川氏の直轄下に入り大久保長安による検地が行われた。当地の検地は中河忠兵衛を奉行として行われ、同七年の石州中野郡郷之内都野津村御縄水帳写(小川家文書)が残る。海岸部を東西に通じる山陰道浜田街道と、跡市あといち村を経て安芸国方面へ通じる街道が分岐する交通の要衝で、浜田藩では村のほぼ中央大年おおとし神社付近に都野津口番所を置き、交通の取締と物資出入りの監視にあたった。和木村との境界にある遠見とおみ山は海岸まで突き出した岩山で見通しがよかったため遠見番所が置かれた。元和五年(一六一九)の古田領郷帳では高一八二石余、年貢高は米八二石余・銀一四石余。正保三年(一六四六)和木村・羽代はしろ村が分村し、同四年の郷帳では高九二石余、免四ツ六歩となる。人数は延享三年(一七四六)五四五・文化八年(一八一一)一千九二・慶応四年(一八六八)二千三二と狭小な地域に人口密集地帯を形成する(浜田藩跡市組の人口)

沿岸漁業については、文禄・慶長の朝鮮出兵に都野家頼が毛利輝元に従い出陣のとき都野津浦の水夫が軍夫として動員され、その恩賞として都野津浦から神主浦までの海上権を与えられたとの所伝がある(近江屋文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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