酒石酸カリウム(読み)シュセキサンカリウム

化学辞典 第2版 「酒石酸カリウム」の解説

酒石酸カリウム
シュセキサンカリウム
potassium tartrate

K2C4H4O6(226.27).DL-,D-,L-,メソ塩がある.市販品の多くはL-塩で,0.5水和物である.これを,DKT(Dikaliumtartratの略称)ということもある.それぞれの形の酒石酸水溶液を水酸化カリウムまたは炭酸カリウムで中和すると得られる.DL-塩は,水溶液から,無色単斜晶系柱状晶の二水和物が得られる.水に易溶.100 ℃ で無水物になる.L-およびD-塩は水溶液から無色,単斜晶系結晶の0.5水和物が得られる.密度約1.984 g cm-3.150 ℃ で水を失い,約200 ℃ で分解がはじまる.水に易溶.水溶液はリトマスに弱アルカリ性を示す.メソ塩は水溶液から無色,三斜晶系結晶の二水和物が得られる.なお,L-塩には,摩擦ルミネセンスがみられ,強い圧電率を示す.緩下剤,圧電素子などに用いられる.[CAS 921-53-9:L-塩]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

百科事典マイペディア 「酒石酸カリウム」の意味・わかりやすい解説

酒石酸カリウム【しゅせきさんカリウム】

比重1.984。DKTと略称。水によく溶ける無色の結晶。180℃で無水塩となる。圧電率が大きく,圧電素子として使用。なお,酒石として知られるのは,酒石酸水素カリウムKHC4H4O6の無色の結晶。

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