リトマス(読み)りとます(英語表記)litmus

翻訳|litmus

日本大百科全書(ニッポニカ) 「リトマス」の意味・わかりやすい解説

リトマス
りとます
litmus

色素の一つ。種々の地衣類、とくにリトマスゴケRoccella、チャシブゴケLecanora、ヨコワサルオガセUsnea diffractaなどをアンモニア炭酸カリウムで処理し、発酵させてつくる。紫色の無定形粉末で、水、アルコールに溶ける。アゾリトミン、エリスロリトミンを主成分とし、オルセイン、エリスロレインなどを含む混合物であり、アゾリトミンのみが酸塩基指示薬の性質をもっている。リトマス変色域は通常の酸塩基指示薬より広く、pH4.5~8.3であり、酸性側で赤色、アルカリ性側で青色を呈する。リトマス試験紙、あるいはリトマス溶液を白亜または石膏(せっこう)の粉末にしませ、これを固めて小粒にしたものが市販されている。

[成澤芳男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リトマス」の意味・わかりやすい解説

リトマス
litmus

地衣類のリトマスゴケから得られる色素の一種。これらの地衣を砕いてアンモニア水で湿らせ,炭酸カルシウム炭酸ナトリウムを加えて空気中にさらし,発酵させて生じる青色色素。この色素は,アゾリトミンおよびエリスロリトミンという成分を含み,酸アルカリ指示色素となる。紫色の無定形粉末。水,アルコールに可溶で,その色調は酸性において赤色,塩基性において青色を示す。変色域は pH4.5~8.3である。一般にリトマス試験紙として広く用いられている。

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