化学辞典 第2版 「酸化ゲルマニウム」の解説
酸化ゲルマニウム
サンカゲルマニウム
germanium oxide
【Ⅰ】酸化ゲルマニウム(Ⅱ):GeO(88.59).一酸化ゲルマニウムともいう.金属ゲルマニウムと二酸化ゲルマニウムを真空中600 ℃ 以上に加熱すると得られる.比較的揮発しやすい固体で,淡黄色ないし黒褐色の無定形.水に不溶.[CAS 20619-16-3]【Ⅱ】:酸化ゲルマニウム(Ⅳ).GeO2(104.59).二酸化ゲルマニウムともいう.四塩化ゲルマニウムを加水分解すると得られる.無色の固体で,水に溶けるもの(α-石英型)と溶けないもの(ルチル型)とがある.融点1116 ℃(水に可溶のもの),1086 ℃(水に不溶のもの).密度は熱処理により異なる.一度融解したものは密度3.12 g cm-3.水に可溶のものは酸,アルカリに可溶.水に不溶のものは酸にも侵されないが,濃アルカリには徐々に侵される.レンズなどの特殊ガラス(高屈折率ガラス)の原料,光ファイバー材料,蛍光体,重合触媒,半導体,ゲルマニウム製造の中間体,医療などに用いられる.[CAS 1310-53-8]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報