釈内村(読み)しやかないむら

日本歴史地名大系 「釈内村」の解説

内村
しやかないむら

[現在地名]大館市釈迦内

大館盆地北部を南流する下内しもない川流域にあり、大館町の北に続く。北条時頼の釈迦仏奉納伝説があり、地名の由来をなす。天正一九年(一五九一)正月吉日の出羽国秋田郡知行目録写(秋田家文書)に「六百九拾壱石弐斗八升四合 志やかない村」とある。天正中期に衰退した浅利氏に代わって秋田氏が領有。その後比内ひない回復をねらう浅利氏と抗争が続き、文禄三年(一五九四)実季は当地方を侵害、慶長二年(一五九七)中央に侵害の実情を報告した浅利頼平領内村数覚書(秋田家文書)には「志やか内村 田畠 家五十余 我等屋しき廻」とあり、浅利氏の直轄地であった。館神釈迦しやか堂のある中世後期の館跡が現存。またみだれ川を挟む実相じつそう寺敷地も西側に帯郭をもつ館跡の形態をなすほか、境内に室町期の宝篋印塔の塔身一個を残す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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