精選版 日本国語大辞典 「沢桔梗」の意味・読み・例文・類語
さわ‐ぎきょう さはギキャウ【沢桔梗】
〘名〙
① キキョウ科の多年草。各地の山野の湿地に生える。茎は円く太く直立し高さ五〇~一〇〇センチメートルになり分枝しない。葉はやや密に互生し、長さ四~七センチメートルの披針形で縁に細かい鋸歯(きょし)がある。秋、茎の上部に密生して総状花序をつくり、紫色の唇形(しんけい)花を開く。花は長さ三センチメートルぐらいで花冠の上唇は二裂、下唇は三裂する。漢名に山梗菜を当てるが誤用で、これはロベリアの名。いそぎきょう。ちょうじな。このてばな。《季・秋》
※浮世草子・俗つれづれ(1695)二「仏の花に是よと。其まましほれる沢桔梗(サハキキャウ)を手ごとに折て」
※俳諧・増山の井(1663)八月「こなぎ 沢桔梗」
③ 植物「はるりんどう(春龍胆)」の異名。《季・春》 〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕
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