釈迦八相図(読み)しゃかはっそうず

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「釈迦八相図」の意味・わかりやすい解説

釈迦八相図
しゃかはっそうず

八相成道図ともいう。釈迦生涯 (仏伝) 中の8つの重要な事件,すなわち八相を図絵した仏伝図一種。ことに誕生,成道,初転法輪 (→転法輪 ) ,入涅槃を四大事 (四相) とする。残りの四相については諸説があって下天,託胎,出家,降魔を加えるのが通例インドをはじめ中央アジア,中国,日本などに多くの作例があるが,八相の内容は一定しない。また仏伝が四大事,八相に要約された経過も明らかでない。

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世界大百科事典(旧版)内の釈迦八相図の言及

【絵解き】より

…視聴覚に訴える絵解きは早くインドに起こり,中央アジア・中国を経て日本にも流伝し,さらに独自な展開をした。 日本に現存する最古の記録は,藤原良房建立の貞観寺に参詣した際,良房をまつる太政大臣堂の柱に描かれた《釈迦八相図》を寺僧から絵解きされたという重明親王《李部(りほう)王記》承平1年(931)の記事(《醍醐寺雑事記》所収)である。くだって,藤原頼長《台記》の康治2年(1143)から久安6年(1150)の条には,四天王寺の絵堂でつごう6度《聖徳太子絵伝》の絵解きを受けたが,寺僧の絵解きが興味本位の通俗的なものであったため,しばしば頼長や信西がその誤謬を正した,とある。…

※「釈迦八相図」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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