日本大百科全書(ニッポニカ) 「重クロム酸アンモニウム」の意味・わかりやすい解説
重クロム酸アンモニウム
じゅうくろむさんあんもにうむ
ammonium bichromate
重クロム酸のアンモニウム塩。正式名称は二クロム酸アンモニウムammonium dichromateという。
クロム酸(酸化クロム(Ⅵ)の水溶液)に計算量のアンモニア水を加えて中和し、濃縮、冷却すると析出する橙色(とうしょく)結晶。アルコールには溶けるが、アセトンには溶けない。加熱すると融解せずに分解し、窒素の酸化とクロムの還元がおこり、下記の式のように酸化クロム(Ⅲ) Cr2O3、窒素分子N2を生成する。
(NH4)2Cr2O7→Cr2O3+N2+4H2O
[岩本振武]
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重クロム酸アンモニウム(データノート)
じゅうくろむさんあんもにうむでーたのーと
(NH4)2Cr2O7 | |
式量 | 252.1 |
融点 | ― |
沸点 | ― |
比重 | 2.155(25℃) |
結晶系 | 単斜 |
溶解度 | 47.17g/100g(水30℃) |
分解温度 | 185℃ |
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