六訂版 家庭医学大全科 「重症複合免疫不全症」の解説
重症複合免疫不全症
じゅうしょうふくごうめんえきふぜんしょう
Severe combined immunodeficiency (SCID)
(子どもの病気)
どんな病気か
Tリンパ球とBリンパ球の両方に先天的な欠陥がある病気で、重症な細菌性、ウイルス性その他の感染症を繰り返し、致死的な感染症のため血液
原因は何か
X(染色体)
症状の現れ方
生後まもなくより反復する細菌、ウイルスによる気道感染、皮膚・口腔粘膜のカンジダ症、肺炎、
検査と診断
免疫学的所見として、末梢血リンパ球数は減ります。血清免疫グロブリンはすべてのクラスが欠乏します。時には低値ながらも認められることもありますが、抗原に特異的な抗体は完全に欠如します。遅延型過敏反応、細胞障害反応などのT細胞機能も欠如します。
治療の方法
組織適合抗原(HLA)が一致した同胞からの血液幹細胞移植によって、約90%が免疫機構を再建し直すことができるとされています。また、一部の疾患では遺伝子治療の成功例が報告されています。
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報