野七里・山七里(読み)のくれ・やまくれ

日本歴史地名大系 「野七里・山七里」の解説

野七里・山七里
のくれ・やまくれ

現三島市川原かわはら付近から上元山中かみもとやまなか・下元山中にいたる箱根古道のうち、麓側の七里の道を野七里、山側の七里の道を山七里という。野七里・山七里と併称されることが多い。建武二年(一三三五)一二月と考えられる某書状(金沢文庫文書)に「野七里合戦」とみえ、同月一二日夜に京方(後醍醐政権方)足利直義方の軍勢に打負けて落ち、足利尊氏・直義方はこれを追って攻め上り、すでに美濃国へ到達したことを伝えている。同月一一日に足利直義は箱根はこね路、尊氏は竹之下たけのした(現小山町)へ向かうと決定されたが、建武政権軍が伊豆国府を出立してその夜野七里山七里を越えるとの情報を得た斯波高経・三浦貞連・土岐頼遠佐々木導誉・赤松貞則らは、意を決して一一日宵のうちに竹之下へ向かい、足柄あしがら(現小山町・神奈川県南足柄市)から敵陣を望むと、「西ハ伊豆ノ府、東ハ野七里山七里ニ焼双ヘタル篝火ノ数幾千万トモ不知ケリ」という状態であったという(「太平記」巻一四)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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