野国総官墓(読み)のぐにそうかんのはか

日本歴史地名大系 「野国総官墓」の解説

野国総官墓
のぐにそうかんのはか

[現在地名]嘉手納町兼久

野国ぬぐん川河口近くの北岸岩陰にある。中国から沖縄に蕃蔗(さつまいも)を導入した野国総官の墓。県指定史跡。総官は進貢船に安置された航海安全の神(天妃)を祀り、下級船員を統括する役目野国ぬぐん村の出身とされる野国総官は進貢船で中国に渡った一年後の万暦三三年(一六〇五)に帰国するとき鉢植えの芋の種苗をもたらし、儀間親方真常(麻平衡)が譲り受け備荒作物として広めた。その後野国ぬぐん港西方の洞中にある野国総官の墓の前では、野国・野里ぬざとう砂辺しなぴ(現北谷町)三村の人々が二―三月中に吉日を選んで墓前祭を行い、豊年を祈願した(「球陽」尚寧王一七年条)。康熙三九年(一七〇〇)には当時の野国村地頭野国親方正恒が野国総官の功績をたたえ、自費で野国川下流沿岸の墓の後方に石壇・石厨子を修造して遺骨を納めた(総官野国由来記)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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