野晒・野曝(読み)のざらし

精選版 日本国語大辞典 「野晒・野曝」の意味・読み・例文・類語

の‐ざらし【野晒・野曝】

[1] 〘名〙
① 野外で風雨にさらされること。また、そのもの。
四河入海(17C前)一六「野さらしにして鳥獣にくるると埋て螻蟻にくるるとはどこがかわるぞ」
② 野に捨てられ風雨にさらされて白くなった骨。特に、白骨化した頭骨髑髏(どくろ)。されこうべ。
※俳諧・天満千句(1676)四「足を空にしてほねが違ふた〈素玄〉 蜘舞はいつ野さらしと成ぬらん〈未学〉」
③ 江戸時代、私刑の一つ。裸にして野道に筵(むしろ)をしいてすわらせ、杭にしばりつけて晒すもの。作物窃盗や用水妨害の者に科せられた。
④ =のざれ(野晒)②〔天正本節用集(1590)〕
[2] 落語。二代目林家正蔵作。三代目三遊亭円遊改作。野ざらしに回向したので美人の幽霊が礼にきた話を聞いた八五郎が真似をすると、幇間(ほうかん)が押しかけてくる話。さげはとたん落ち

の‐ざれ【野晒・野曝】

〘名〙
※浄瑠璃・平家女護島(1719)一「野(ノ)ざれの首は源の義朝」
② 生まれて三か月以内につかまった若鷹一説に、秋を過ぎて冬につかまった鷹。のざれの鷹。のざらし。
尺素往来(1439‐64)「鳥屋出。野曝(のされ)。山廻(かへり)

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