精選版 日本国語大辞典 「野牡丹科」の意味・読み・例文・類語
のぼたん‐か‥クヮ【野牡丹科】
- 〘 名詞 〙 双子葉植物の科名。約二四〇属三千余種があり、広く熱帯および亜熱帯に分布する。高木、低木、草本で多くの生活形式をとる。ふつう、茎の断面は四角く、葉は十字対生し、うち一枚が他より大きく、成長すると枯れて落ちる。葉には数本の脈があって大体太さが同じで、真の主脈に相当するものがないことや髄に篩部が発達することなどがこの科の特徴である。花は両性で放射相称か多少ゆがみがあり、集散花序に咲く。花床または蔓は筒状や鐘状になっており、子房と多少合生していて、時には美しい色の縦線がある。蔓と花冠は四~五裂し、そり返る。雄しべは普通花冠の二倍数で付属体があり、花がつぼみの時は子房と花床の間に折りたたまれたようになっているが開花時には立つ。子房は上位または下位で四~五室、中に多数の胚珠がある。果実は液果または蒴果。子葉に大小がある。日本では低木のノボタン・ハシカンボクの仲間および多年草のヒメノボタンなどが暖地に自生する。