金乗寺(読み)こんじようじ

日本歴史地名大系 「金乗寺」の解説

金乗寺
こんじようじ

[現在地名]岬町深日

浄土真宗本願寺派。鶴龍山と号し、本尊阿弥陀如来深日ふけ御坊と通称される。深日旧事記(北村家文書)によると、正中二年(一三二五)本郷右馬之亮光乗の開創。光乗は当地の開発者の子孫という右兵衛允猪使連公忠の末裔で地侍的な処士であった。本願寺覚如が当地方布教に訪れた時帰依し、法名を了善と名乗り深日本郷に一宇の草庵を建立したのが当寺の始まりという。文明六年(一四七四)四世了祐が現在地に移転、建立した。同一八年本願寺蓮如は紀州への布教に向かったがその途次、当寺に宿泊したといい、この時、現寺号・山号を下付されたと伝える。寺蔵の蓮如真筆の六字名号・正信偈文はこの時下されたものと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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