金属欠乏星(読み)キンゾクケツボウセイ(その他表記)metal-poor star

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改訂新版 世界大百科事典 「金属欠乏星」の意味・わかりやすい解説

金属欠乏星 (きんぞくけつぼうせい)
metal-poor star

重元素割合が,標準のものより少ない恒星太陽系の近くの大部分の恒星は,太陽に似た元素組成の表面層をもっているが,なかには,ヘリウムより重い元素の割合が,太陽の場合よりも著しく少ない恒星もある。観測的には,重元素のうち,とくに金属元素スペクトル線の弱化として表れるので,金属欠乏星と呼ばれている。これらの恒星の多くは,太陽系に対して大きな相対空間運動を示す,いわゆる高速度星であって,太陽系周辺の大部分の恒星とは異なる銀河系構成成分である。このような重元素の欠乏は,銀河系の外縁を包むようにして広がっている種族Ⅱの恒星系に一般的に見られ,太陽系よりも古い種族であるとされている。欠乏の度合は,各重元素の間で多少異なる。平均の欠乏度は1/10000くらいまでのものが報告されている。探索には,対物プリズムをつけたシュミットカメラが用いられる。
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百科事典マイペディア 「金属欠乏星」の意味・わかりやすい解説

金属欠乏星【きんぞくけつぼうせい】

重元素の割合が標準の星のそれより小さい恒星。スペクトルでは重元素のうち特に金属元素のスペクトル線が弱いことからこの名がある。金属欠乏星の多くは,太陽系に対して大きな相対空間運動を示す高速度星である。

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