金森建策(読み)かなもり・けんさく

朝日日本歴史人物事典 「金森建策」の解説

金森建策

没年:文久2.5.1(1862.5.29)
生年:生年不詳
幕末の洋学者。松江藩士。諱を錦謙。鳶巣と号した。備中国(岡山県)の生まれで,若年のとき長崎に赴いて蘭学を学び,のち江戸に出て坪井信道の門に入る。嘉永2(1849)年松江藩(島根県)蘭学御用として召し抱えられ,また幕府砲術師範の下曾根金三郎賓客となり,膺懲館において西洋兵学書の翻訳に当たった。そして反射炉のテキストとなった『鐵熕鋳鑑』や『雷火銃新書』などの翻訳書を刊行したほか,ペリーの来航を記録した『威遠譚筆』や『竹島図説』などの見聞録も著している。

(所荘吉)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「金森建策」の解説

金森建策 かなもり-けんさく

?-1862 幕末の蘭学者
長崎でまなび,ついで江戸で坪井信道に師事する。のち幕府砲術師範の下曾根金三郎方に滞留して「鉄熕鋳鑑(てっこうちゅうかん)」などを翻訳。嘉永(かえい)2年(1849)出雲(いずも)松江藩の蘭学師範となった。文久2年5月1日死去。備中(岡山県)出身。名は錦謙(かねのり)。号は鳶巣(えんそう)。著作に「竹島図説」。

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