金田一村(読み)きんだいちむら

日本歴史地名大系 「金田一村」の解説

金田一村
きんだいちむら

[現在地名]二戸市金田一きんたいち

仁左平にさつたい村の北西に位置。金田市とも記した。馬淵まべち川の中流域扇状地に開けた村で、奥州街道が通る。馬淵川中流の段丘上に雨滝あまたき遺跡がある。昭和二八年(一九五三)と同三三年の調査で、いわゆる亀ヶ岡式土器が大量に出土し、縄文晩期土器の編年研究の好資料を提供した。とくに従来区別されていた大洞B式とBC式が同一の層から出土し、両者を含めた雨滝式という新型式が提唱された。仲町なかまちの辺りに金田一城跡がある。かみ館・中館・下館からなり、それぞれ四戸氏、切田氏、金田一氏の居館であったと伝えるが詳細は不明。最も規模が大きいのは上館で、四戸城ともよばれる。南部領諸城破却書上に「金田一、山城破、信直抱、代官上村杢之丞」とある。「参考諸家系図」によれば神貞房が初代盛岡藩主南部信直から当村に知行地を与えられている。慶長一九年(一六一四)五月二七日の南部利直知行宛行状(花巻神文書)によれば神彦二郎が田子たつこ(現青森県三戸郡田子町)と当地に七六石の知行地を与えられているが、寛永六年(一六二九)一二月三日の南部利直知行宛行状写(同文書)によれば、江刺家えさしか(現九戸郡九戸村)七〇石との替地が行われている。

正保国絵図では高四三四石余。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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