岩手県の岩手郡
源流より三戸町の北東端までの間は渓谷となって北流するが、熊原川との合流地より下流では狭隘な沖積低地をつくりだし、浅水川合流地より河口までの間は広い沖積平野となる。河口は東を流れる
雑書の正保元年(一六四四)八月一二日条に「二番鮭一尺八戸之内真淵川二之留ニ而昨十一日ニ取上候由」、慶安四年(一六五一)七月一三日条に「三戸之内熊原川上ハ田子、下ハ馬淵川落合迄、当年中鮭運上金四両ニ、河野忠右衛門知行所斗内村吉本平三郎申請候」とある。正保四年の南部領内総絵図には「馬淵川舟渡」「此川荒磯ニテ船不入」とみえる。「まぶちがわ」ともいい、その由来は不詳であるが、源流付近に
岩手郡
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岩手県北部を流れる川。〈まぶちがわ〉ともいう。北上高地の突紫森(つくしもり)付近に源を発し,北上高地と奥羽山脈間の縦谷を北流して青森県に入り,八戸付近で太平洋に注ぐ。幹川流路延長142km,全流域面積2050km2。上流は狭い谷を刻む渓流性の川であるが,中流以下は谷も開け,東北本線,国道104号線の通路となり,川沿いに岩手県一戸(いちのへ)町,二戸(にのへ)市,青森県三戸(さんのへ)町などの市街が形成されている。三戸町付近で熊原川を合流し,河谷も広くなって谷底平野を発達させ,河口付近では八戸平野を形成する。三戸町付近は青森県第2のリンゴ産地として知られ,八戸市の沖積地は臨海工業地帯として発達している。
執筆者:横山 弘
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岩手県北東部を北流し、青森県八戸(はちのへ)市で太平洋に注ぐ川。一級河川。延長142キロメートル、流域面積2050平方キロメートル。岩手県岩手郡葛巻(くずまき)町北東部の袖山(そでやま)に源を発して南流、同町馬淵付近で迂回(うかい)して向きを北に変え、平糠(ひらぬか)川、安比(あっぴ)川をあわせて青森県に入り、熊原(くまはら)川、猿辺(さるべ)川と合流、東流して八戸湾に注ぐ。川名はアイヌ語マベツ(大きな川の意)に由来するという。源流から県境までは古生層地帯で両岸とも絶壁をなす所が多く、上流部には河岸段丘が発達する。安比川との合流点一帯は馬仙峡(ばせんきょう)の峡谷をなし、折爪(おりづめ)馬仙峡県立自然公園に指定されている。大正時代に4発電所が設置され、上水道や灌漑(かんがい)用水に利用される。青森県では細長い谷底平野を形成し、河口一帯は八戸市の臨海工業地帯となっている。なお、中・下流沿いを東北新幹線、IGRいわて銀河鉄道と青い森鉄道、国道4号、104号が走っている。
[金野靜一]
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…岩手県北部を流れる川。〈まぶちがわ〉ともいう。北上高地の突紫森(つくしもり)付近に源を発し,北上高地と奥羽山脈間の縦谷を北流して青森県に入り,八戸付近で太平洋に注ぐ。幹川流路延長142km,全流域面積2050km2。上流は狭い谷を刻む渓流性の川であるが,中流以下は谷も開け,東北本線,国道104号線の通路となり,川沿いに岩手県一戸(いちのへ)町,二戸(にのへ)市,青森県三戸(さんのへ)町などの市街が形成されている。…
※「馬淵川」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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