湯田(読み)ゆだ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「湯田」の意味・わかりやすい解説

湯田
ゆだ

岩手県南西部、和賀郡(わがぐん)にあった旧町名(湯田町(まち))。現在は西和賀(にしわが)町の南部を占める地域。奥羽山脈真昼(まひる)山地に位置し、秋田県に接する豪雪地。1964年(昭和39)町制施行。2005年(平成17)同郡沢内村(さわうちむら)と合併して西和賀町となった。和賀川上流の河岸段丘に集落が点在、旧町域の92%が山岳地帯で農山林業が主産業。かつては銅山など12の鉱山が稼行したが、1976年の土畑鉱山(つちはたこうざん)の閉山で鉱業町の歴史は終わった。白木野(しらきの)の大台野遺跡(おおだいのいせき)は旧石器時代から弥生(やよい)時代に至る複合遺跡。湯川湯本などの温泉、多目的の湯田ダムと人造湖の錦秋湖(きんしゅうこ)などは湯田温泉峡県立自然公園に指定されており、スキー場や総合レジャー施設もある。JR北上(きたかみ)線、国道107号が通じ、秋田自動車道湯田インターチェンジがある。

[金野靜一]

『『湯田町史』(1979・湯田町)』

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改訂新版 世界大百科事典 「湯田」の意味・わかりやすい解説

湯田[温泉] (ゆだ)

山口県の山口盆地にあり,山口市街地の南西部に位置する温泉。山陽新幹線小郡(おごおり)駅(現,新山口駅)からバスで約15分,山口線湯田温泉駅から徒歩5分。古くからの温泉で,室町時代の《大内家壁書》にも〈湯田の湯〉のことがみえている。江戸時代には藩主の御茶屋も設けられ,旅宿,木銭宿もあった。また〈湯田ノ二月笋(たけのこ)〉は名物として知られた(《毛吹草》)。単純硫黄泉で,約90の泉源があり,泉温は25~71℃。4月初めの温泉祭は白狐行列でにぎわう。温泉街の一角にある高田公園井上馨の生家跡で,この近くで生まれた中原中也の詩碑などがある。
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湯田 (ゆだ)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「湯田」の意味・わかりやすい解説

湯田
ゆだ

岩手県南西部,西和賀町南部の旧町域。奥羽山脈東麓,和賀川がつくる沢内盆地南半部を占め,西で秋田県に接する。 1964年町制。 2005年沢内村と合体して西和賀町となった。地名は温泉に由来する。岩手県屈指の豪雪地帯。銅鉱を主力とした鉱山の町であったが,閉山となり,過疎化を防ぐため湯本温泉を中心に湯川温泉など温泉郷の開発が行なわれ,湯田温泉峡県立自然公園に指定されている。約1万 8000年前の住居跡といわれる大台野遺跡がある。

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百科事典マイペディア 「湯田」の意味・わかりやすい解説

湯田[町]【ゆだ】

岩手県西部,和賀郡の旧町。北上川の支流和賀川上流域の山地を占め,北上線ほっとゆだ駅を中心に市街が発達する。鉱山が多く,銅,鉄,硫化鉱を産出したが閉山した。湯田ダムがあり,市街北方には湯量豊富な湯本温泉がある。2005年11月,和賀郡沢内村と合併し町制,和賀郡西和賀町となる。304.56km2。3983人(2003)。

湯田[温泉]【ゆだ】

山口県山口市内にある温泉。単純泉など。66℃,高温で湯量豊富。市街地の南西端にあり,大内氏のころから知られ,夜中に湯田の湯に入るべからずという禁制があった。江戸時代には十数軒の旅館・木賃宿があった。整備された温泉町を形成。山口市および秋吉台観光の基地。
→関連項目山口[県]山口[市]

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