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金融の証券化 キンユウノショウケンカ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

金融の証券化
きんゆうのしょうけんか

企業が株式や債券などの有価証券で資金を調達する「事業金融の証券化」と、保有資産を流動化して資本市場から資金を調達する「資産金融の証券化」の、大きく分けて二つの意味がある。広義には銀行資産に占める証券資産の比率が上昇することを含む場合もある。事業金融の証券化とは、企業の資金調達が銀行からの借入れなど間接金融から、有価証券を発行して市場から調達する直接金融へシフトする現象をさす。直接金融は株式会社の誕生時からある手法で、旧来型証券化primary securitizationともよばれる。一方、資産金融の証券化は企業や金融機関が資産の一部を切り離し、その資産が生み出すキャッシュ・フローを基に資金調達する手法をさす。これは派生型証券化secondary securitizationとよばれ、住宅ローンやリース料などの債権から不動産まで幅広い資産が流動化されており、投資家に多様な金融商品を提供している。
 金融の証券化は1980年代以降、アメリカを先頭に世界的な潮流であり、金融の証券化を軸に、金融の規制緩和、法・会計制度の整備、監督行政の整備が進んできた。しかし2008年に起きた世界金融危機は、金融の証券化が行き過ぎた結果生じたとの批判を生み、以来、資産金融の証券化にはブレーキがかかっている。[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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