釜子村(読み)かまのこむら

日本歴史地名大系 「釜子村」の解説

釜子村
かまのこむら

[現在地名]東村釜子かまこ工業団地こうぎようだんち

やしろ川の支流矢武やぶ川中流域に位置し、その河岸に発達した村である。地名の起りは前九年の役のとき、源頼義軍と安倍頼時軍が阿武隈川を挟んで対峙し、源軍が大釜を据え付けて炊事したことに由来するとも、現在の釜橋からともいわれる(東村史)。地内にはりゆうくぼ古墳犬の原いぬのはら古墳・千場せんば遺跡などがある。「和名抄」白河郡松田まつだ郷、「延喜式」松田駅の推定地の一つといわれる。村内を水戸街道が南北に縦断し、西は白河城下、東は石川郡に通じる要衝の地である。南は堀之内ほりのうち(現表郷村)、北は深仁井田ふかにいだ村、東は大竹おおたけ村、西は千田せんだ村に接する。康永二年(一三四三)一二月一四日の石塔義元書下(遠藤白川文書)に「高野郡釜子村」とみえ、石塔義元(奥州総大将石塔義房の子)は、訴えどおり当村内の田一町と在家一宇を結城親政に引渡すよう石川兼光に命じている。天文三年(一五三四)岩城重隆が息女久保姫と伊達晴宗との縁組を拒否したことで、岩城・白川両氏は伊達・蘆名・二階堂・石川氏らに攻められ、当地において同年六月二九日に合戦が行われたという(白河古事考)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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