朝日日本歴史人物事典 「針谷夕雲」の解説
針谷夕雲
生年:文禄2?(1593)
江戸前期の剣術家。無住心剣術(通称夕雲流)の開祖。経歴は不詳の部分が多いが,上野国(群馬県)の生まれで,五郎右衛門を名乗ったとされる。13歳ごろから剣術,槍術を学び,のちに新陰流の小笠原玄信の門人となり,門下一,二の使い手となった。落馬事故に遭って療養中,禅僧虚白(虎白)の教示を得て開悟し,50歳ごろ術技を棄てた心法の剣として名高い無住心剣術を開く。激しい他流排斥と2代目小出切一雲によって同流はさらに栄えたが,心法に偏しすぎたきらいもあり,3代目真里谷円四郎を頂点に消滅する。
(甲野善紀)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報