デジタル大辞泉
「江戸座」の意味・読み・例文・類語
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えど‐ざ【江戸座】
- 〘 名詞 〙 俳諧の流派の名。芭蕉の没後、宝永(一七〇四‐一一)期の其角の洒落風(しゃれふう)に端を発し、宝暦(一七五一‐六四)、安永(一七七二‐八一)頃を絶頂として江戸俳壇に栄えた各派の総称。其角座(きかくざ)、沾徳座(せんとくざ)などを中心に多数の座・側があり、洒落、軽妙、機知を尊び、都会趣味的な句を多く作った。江戸派。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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江戸座
えどざ
江戸中期から幕末の俳諧(はいかい)流派。点取(てんとり)俳諧を中心とし、洒脱(しゃだつ)な享楽的傾向をもった都会趣味の江戸俳人集団。元来は、浅草(あさくさ)座(沾徳(せんとく)系)に対する称で、其角(きかく)系のグループをさしたが、のち一般化され、江戸の点取俳諧宗匠(そうしょう)グループ全体の別称として、雪門(せつもん)(嵐雪(らんせつ)系の流派)と対称的に用いられた。江戸座の俳諧は、付句(つけく)に加点して集計点を競う点取の形式を中心としたため、遊戯的傾向が強く、また付句一句の仕立ての妙を尊ぶ風がおこって、高点の付句のみを抜粋した句集(『武玉川(むたまがわ)』など)までが刊行された。これは、連想形式でつながっていく俳諧の付句を、個々独立的傾向に導くこととなり、川柳(せんりゅう)の独立にも強い影響を与えた。また、江戸座の宗匠たちは、大名や武家に出入りする者が多く、その句風も武家都市江戸の世態人情を軽妙に表現することを喜んだ。この傾向が、江戸を中心とした新文芸の確立を促し、田沼期(1772~86)における江戸都市文化開花の下地を養った。
[岩田秀行]
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江戸座 (えどざ)
江戸時代の俳諧流派。其角(きかく)の伊達(だて)好みの俳風を受け継ぎ,快活で洒脱な都会的享楽ムードにあふれた江戸趣味の俳風で知られる江戸の俳人群。18世紀の初期,其角の門人沾徳(せんとく)の〈洒落風〉に,それから分派した沾洲の〈比喩体(ひゆてい)〉をも交えて大いに行われたが,奇警な趣向,卑俗な見立てに走りすぎたため,《五色墨(ごしきずみ)》(1731)などの批判をこうむり,しだいに衰えて明治時代にまで及んだ。
執筆者:乾 裕幸
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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江戸座【えどざ】
俳諧流派。江戸時代中期,江戸の点取俳諧の宗匠たちを二分する勢力だった沾徳(せんとく)座・其角座のうち,後者の別称。転じて両者の宗匠連合体の総称。1726年の沾徳没後は,俳系・住所によって〈座側(ざがわ)〉と呼ばれる小グループに分かれ,点者の登録制など組織化が進んだ。作風は軽妙な人事句に特徴があり,各点者の好みを記した《誹諧【けい】(はいかいけい)》などの,機関誌的な高点付句集を刊行した。
→関連項目太祇|天明俳諧
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江戸座
えどざ
俳諧流派の一つ。宝井其角 (きかく) 晩年の洒落風を受け,闊達洒脱な享楽気分を中心にした江戸趣味の作風をもつ江戸俳人群。沾徳 (せんとく。 1662~1726) の洒落風,沾州 (1670~1739) の比喩体,不角 (1662~1753) の化鳥風,湖十 (1676~1738) の浮世風などがある。俳系からみると,其角,沾徳系を中心に,貞門,談林,蕉風が入り乱れている。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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