鉤頭虫類(読み)こうとうちゅうるい(その他表記)Acanthocephala; spiny-headed worm

精選版 日本国語大辞典 「鉤頭虫類」の意味・読み・例文・類語

こうとうちゅう‐るい【鉤頭虫類】

  1. 〘 名詞 〙 袋形動物に属する綱の一つとするか、あるいは独立の鉤頭動物門とする説がある。哺乳類鳥類魚類などの腸に寄生する。体はほぼ円筒形で、頭部の先端には小さな鉤(かぎ)が多くならんだ吻(ふん)があり、これで宿主に懸着する。消化器官はなく、生殖器官が発達している。雌雄異体でまれに人体にも寄生する。中間宿主甲殻類と昆虫類。ダイコウトウチュウタラコウトウチュウなどがある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鉤頭虫類」の意味・わかりやすい解説

鉤頭虫類
こうとうちゅうるい
Acanthocephala; spiny-headed worm

袋形動物門鉤頭虫綱に属する寄生虫総称体長 2mm~30cmで,雌は雄よりも大きい。体は扁平で細長く,頭端に出し入れが自由な円筒形や球形をもつ。その表面には逆鉤が 10~40縦列並んでいて,これで宿主の腸壁に固着している。消化器官は退化してなくなっており,体表から宿主の栄養を直接吸収する。中間宿主は甲殻類,昆虫類で,終宿主は魚類,両生類,鳥類など。ヒトの寄生虫としてはほとんど問題にならない。世界で約 500種が知られている。

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