日本大百科全書(ニッポニカ) 「鉱山都市」の意味・わかりやすい解説
鉱山都市
こうざんとし
鉱業都市ともいう。主として金属鉱物資源の発見・開発によって発達した都市をいい、石炭の採掘によって発達した炭鉱都市とは区別する。規模の大きい鉱山の開発には、採掘のみでなく精錬や機械修理など関連産業を伴うことが多く、直接関連従業者および商業サービス業関係者などが集まって都市を形成する。国内では神岡(岐阜県)、日立(茨城県)、小坂(秋田県)、外国ではヨハネスバーグ(南アフリカ共和国)、カルグーリー(オーストラリア)、マグニトゴルスク(ロシア連邦)などがあげられるが、純鉱山都市は少なく、また地下資源の開発が進行すれば人口が増え、資源の枯渇や経済価値の変動によって産業基盤が失われれば人口が激減してゴーストタウンになる場合もあり、盛衰が激しいのが特徴である。
[高野史男]
『斎藤実則著『鉱山と鉱山集落――秋田県の鉱山と集落の栄枯盛衰』(1980・大明堂)』