ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鉱業条例」の意味・わかりやすい解説
鉱業条例
こうぎょうじょうれい
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…73年の日本最初の体系的鉱業法である日本坑法は,鉱物はすべて政府の所有にして,ひとり政府のみがこれを採掘する権利を有し,私人は借区によって15年間の期間で鉱物の採掘をなしうると定め,鉱物の国家独占主義を継承した。しかし,当時すでに,欧米の各国は鉱業の国家独占主義をとっておらず,これはむしろ鉱業の発展を阻害するとされたため,90年,新たに主としてプロイセンの制度にならった鉱業条例が制定され,国家独占主義を廃し,鉱業を特許を要する自由主義の下に置き,借区に代えて永久の権利としての採掘権が設けられた。その後,鉱物の種類を増加したり,鉱業権を試掘権と採掘権に分けて定め,ともに私権として不動産に関する民法の規定を準用することとする等の整備を加えて,1905年に旧鉱業法が成立した。…
…日本においては,明治の初期から鉱業法の整備が進んだが,当初は鉱業自体がさほど活発ではなく,また鉱害に対する社会的な認識がさほど深刻ではなかったために,鉱山保安に関する法規制はほとんどなされていなかった。しかるに,日本の近代化の進展とともに,鉱業生産が増加し,鉱山災害や鉱害が増大したため,1890年の鉱業条例で,鉱山の保安に関する法規制が,鉱業警察として,はじめて体系的に整備された。その内容は,坑内および鉱業に関する建築物の保安,鉱夫の生命と衛生の保護,地表の安全と公益の保護の3点に及ぶものであった。…
… 明治期になると鉱業法制の整備が進められ,1873年(明治6)日本坑法が発布され,鉱区制,鉱業自営主義,本国人主義など鉱業法制の骨格が確立した。のち90年制定の鉱業条例によって鉱業権の確立をみた。炭鉱の近代化は西ヨーロッパの技術と機械を導入することによって実現した。…
※「鉱業条例」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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