鍵屋五兵衛(読み)かぎや・ごへえ

朝日日本歴史人物事典 「鍵屋五兵衛」の解説

鍵屋五兵衛

没年:宝暦10(1760)
生年:生年不詳
江戸中期のかくし念仏(御内法)の指導者。京都の人。法名は善休。かくし念仏は浄土真宗の流れをくむ念仏信仰の一派で,即身成仏をめざす真言系の秘密念仏の要素もあるとされる。本願寺の「表法」とは別に,蓮如の奥義を伝授された「内法」があり,それが鍵屋に伝えられたとされ,極度の秘密性を重んじてきた。鍵屋第2代の五兵衛が組織の大成者とされる。加入儀礼の「お取り上げ」を受けた,陸中国胆沢郡水沢(岩手県水沢市)の長吉や山崎杢左衛門らによって仙台藩などに広められたが,宝暦4(1754)年に2人が磔刑に処せられるなどの弾圧を受けて地下に潜行した。

(川村邦光)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「鍵屋五兵衛」の解説

鍵屋五兵衛 かぎや-ごへえ

?-1760 江戸時代中期の隠し念仏の指導者。
京都の人。鍵屋流隠し念仏の上巾派,渋谷地派,栗原派,片子沢派などの開祖とされる。陸奥(むつ)仙台藩水沢領主伊達主水の家臣の山崎杢左衛門(もくざえもん)らに秘事相伝。その隠し念仏は東北地方中心にひろまったという。宝暦10年死去。法名は善休。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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