長棟村(読み)ながとむら

日本歴史地名大系 「長棟村」の解説

長棟村
ながとむら

[現在地名]大山町長棟

神通川支流長棟川の源流標高一〇〇〇メートルの小盆地で、飛騨には茂住もずみ峠と長棟峠で出られる飛越国境にある。富山からくろ川の双嶺ぞうれい谷をさかのぼる道は長棟上道一二里で、神通川沿いに笹津ささづ村・うしませ村・猪谷いのたに(現大沢野町)、東茂住村(現岐阜県神岡町)から茂住峠越で長棟に入る道は長棟下ながとした道で一三里あり、冬期の利用が多かった。長棟鉛山は越中七金山の一つで、とくに近世初期から中期にかけて加賀藩庫を潤した。地名は長戸・長戸路といわれたが、加賀藩三代藩主前田利常の時に「其の産財は衆山に冠する」というので、長棟と改名された。鉱山村以前の長棟は百姓家が三軒あり、毎年熊皮一枚を藩に上納し、承応二年(一六五三)には銀納している(「金山裁許箕浦浅右衛門覚書他」温古遺文)寛永三年(一六二六)大山左平次によって鉛山が発見された。左平次は亀谷かめがい銀山山師で、元和四年(一六一八)利常に「於分田中何之山見成共、金山を見立可注進」を命じられて探鉱にあたった(「金山見立申付状」神岡鉱業所保管)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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