開花病(読み)かいかびょう

改訂新版 世界大百科事典 「開花病」の意味・わかりやすい解説

開花病 (かいかびょう)

タケは普通花が咲かずに少しずつ枯死更新していくが,数十年経ったタケが急に開花することがある。そうするとそこのタケはすっかり枯れてしまう。同じ地下茎をもつタケは一度に開花枯死するのが普通である。これを開花病と称する。病気というのは一般には寄生菌がついたり,不都合な外因によって,植物が本来有する生理活性を発揮できない状態をいうが,この意味からすれば,植物の自然の現象であるタケの開花は病気とはいえない。しかしタケを利用する人間にとっては,開花によるタケの一斉の枯死は栽培の目的に反することである。そこで望ましくない状態という意味をこめて〈病〉と呼んだものである。開花の原因はまだ不明の点が多いが,60年ほどの周期説,土壌成分の変化・土壌微生物の変化などによる誘因を主とする外因説,種族保存のためのタケの内部変化をとる内因説などが考えられる。タケの開花については古来豊作前兆とされたり,逆に凶兆とされる見方が残っている。
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