寺中(読み)ジチュウ

デジタル大辞泉 「寺中」の意味・読み・例文・類語

じ‐ちゅう【寺中】

寺の中。寺の境内
大寺の境内にある小寺塔頭たっちゅう
[類語]寺内山内境内神域神苑

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精選版 日本国語大辞典 「寺中」の意味・読み・例文・類語

じ‐ちゅう【寺中】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 寺のうち。寺内。また、寺内の人々。地中
    1. [初出の実例]「遂使寺中礼懺鐘梵遞虧、樹下禅龕、蛛網交闇」(出典顕戒論(820)下)
    2. 「官軍寺中に攻入て、火を懸たり」(出典:平松家本平家(13C前)四)
  3. 本寺に付属して境内にある小寺。塔頭(たっちゅう)。地中。

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改訂新版 世界大百科事典 「寺中」の意味・わかりやすい解説

寺中 (じちゅう)

おもに真宗で用いられるもので,禅宗などの塔頭(たつちゆう)に相当する。有力大寺院の境内にある小寺庵で,本尊・本堂を有する独立寺院の形態をもつが,本坊に譜代的に従属し,その日常的法務を補佐する機能をもっている。東日本に多くみられ,地域によって,地中,持家地下,塔頭,山内,脇寺,前寺,寮など,さまざまな呼称がある。
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世界大百科事典(旧版)内の寺中の言及

【本末制度】より

…第2の要因は,法務補完の必要に基づくものである。たとえば本坊境内に所在している塔頭(たつちゆう)がそれであるし,真宗などにおける檀家の日常的法務の担当者としての寺中や,遠隔地檀家に対する法務を行う下道場,下寺などがそれである。このようにして中世末期までには,各宗派ともに地方的な有力寺院が中本山となって小教団を形成していた。…

※「寺中」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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