間擦疹(読み)カンサツシン

デジタル大辞泉 「間擦疹」の意味・読み・例文・類語

かんさつ‐しん【間擦×疹】

発汗摩擦によって生じる湿疹夏季乳児や肥満者の頸部股間などにみられる。間擦性湿疹。湿爛しつらん

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精選版 日本国語大辞典 「間擦疹」の意味・読み・例文・類語

かんさつ‐しん【間擦疹】

  1. 〘 名詞 〙 皮膚がこすれあって起こる皮膚炎。乳児や肥満した成人のように皮膚分泌の多いものに起こりやすく、陰股部、乳房下部わきの下などにできやすい。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「間擦疹」の意味・わかりやすい解説

間擦疹
かんさつしん

間擦性湿疹ともいい、おもに乳幼児や肥満者にみられ、糖尿病患者にも生ずる。乳幼児では頸部(けいぶ)をはじめ、肘(ひじ)のくぼみ(肘窩(ちゅうか)部)や膝(ひざ)のくぼみ(膝窩(しっか)部)あるいは陰股(いんこ)部に好発し、肥満者とくに女性ではこれらのほかに垂れ下がった乳房の下面、糖尿病者ではとくに陰股部の皮膚が擦れ合う部分に発汗、摩擦が加わって生じやすくなる。最初に紅斑(こうはん)や丘疹(きゅうしん)がみられ、のちにこれらが融合して一面が赤くなり、表面が軽度に湿潤する。俗にいう「股(また)ずれ」も股にできた間擦性湿疹のことである。皮膚の擦れ合うところでは、汗そのものによる刺激や、汗による皮膚のバリアー機能の低下が生じる。さらに汗が分解して皮膚表面の酸性外套膜(がいとうまく)が中和され、細菌が二次的に増殖して、その菌体または産生物が刺激的に作用し、湿疹が生ずると考えられている。抗生剤含有ステロイド軟膏(なんこう)を塗布する。

[伊崎正勝・伊崎誠一]

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