普及版 字通 「閔」の読み・字形・画数・意味


12画

(異体字)憫
15画

[字音] ビン・ミン
[字訓] いたむ・あわれむ・うれえる

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(文)(ぶん)。〔説文十二上に「弔する、門に在るなり」とし、古文一字を録し、その字は民(みん)声に従う。愍(びん)と声義の同じ字である。〔左伝、宣十二年〕「少(わか)くして閔凶ふ」は死別の意。憫(びん)は閔の俗体の字である。

[訓義]
1. いたむ、とむらう。
2. あわれむ、うれえる。
3. なやむ、やむ。
4. と通じ、つとめる。
5. 旻(びん)と通じ、あきぞら。

[古辞書の訓]
名義抄〕閔 イタム・ヤム・ヤマシ・カナシブ 〔字鏡〕閔 ヤブル・ツトム・アハレブ・ヒマ・ハヂヌ・コトハヂヌ・ヤマシ・ヤスシ・ヤマヒ・カナシブ・イタム・イタキカナ

[語系]
閔・愍minは同声。〔玉〕に「憫は憂ふるなり」とあり、〔広雅、釈詁一〕に愍を「愛(いつく)しむなり」「憂ふなり」、〔釈詁二〕に「痛むなり」「傷むなり」、〔釈詁三〕に「亂るるなり」と訓する。〔段注〕に閔・愍の字義を異なるとするが、通用の例が多い。また閔・は同声。は〔説文〕十下に「彊(つと)むるなり」、〔玉〕に「自ら強するなり」とあり、・黽mien、(勉)・俛mianとも声近く、黽勉をまた閔免のように作ることがある。語彙は憫字条参照。

[熟語]
閔慰閔悔閔急・閔凶閔傷閔笑閔惜・閔然閔茶閔悼閔閔閔勉・閔免閔綿閔労
[下接語]
哀閔・隠閔・恩閔・懐閔・矜閔・閔・閔・笑閔・惜閔・屯閔・不閔・憂閔・

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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