日本歴史地名大系 「関東幕注文」の解説
関東幕注文
かんとうまくちゆうもん
成立 永禄四年
原本 山形県米沢市上杉家
解説 上杉謙信に服属する上野・下野・武蔵・常陸・安房・上総・下総の七国、計二五五名の武将名と陣幕紋を記す。戦国期における関東の在地領主の存在形態を示す。成立年代には諸説があるが、近年の考証により永禄四年一月から三月に限定され、謙信の第一次関東出兵時に作成されたことが明らかになった。越後から侵攻する際、関東への玄関にあたる上野国の国衆として、白井衆(小林・高山・三原田・上泉ら九名)、総社衆(大類・馬庭・安中・多胡・小幡ら一七名)、箕輪衆(長野・高田・和田・漆原・大胡ら一九名)、厩橋衆(引田ら四名)、沼田衆(沼田・小川・尻高・阿佐美ら一四名)、岩下衆、新田衆(横瀬・県・薗田ら)がみえており、上杉方の支城編制がわかる。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報