関東神宮(読み)かんとうじんぐう

改訂新版 世界大百科事典 「関東神宮」の意味・わかりやすい解説

関東神宮 (かんとうじんぐう)

中国遼寧省旅順市にあった神社。日露戦争後,日本は遼東半島租借地とし,関東州と呼んだ。関東州には,日本人の移住につれて,関水神社,大連神社などが建てられたが,1938年政府は,関東庁,関東軍司令部が置かれ,海軍の根拠地でもあった旅順に,関東州鎮護の神社として関東神宮の創建を決定した。関東神宮は,朝鮮神宮と同じく,天照大神明治天皇祭神とし,社格は官幣大社に列せられたが,造営時日を要し,ようやく44年10月1日に鎮座の儀が行われた。式典には多数の日本人が参列し,新しく作られた関東神宮の歌を合唱したりしたが,その後1年に満たずに敗戦を迎え,壮大な神殿は破壊された。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android