阿倍王子神社(読み)あべおうじじんじや

日本歴史地名大系 「阿倍王子神社」の解説

阿倍王子神社
あべおうじじんじや

[現在地名]阿倍野区阿倍野元町

阿部野あべの街道(熊野街道)に面し、伊弉諾大神・伊弉冉大神・素盞嗚大神・品陀別大神を祀る。旧郷社。正徳四年(一七一四)撰修の阿倍王子権現縁起(社蔵)は創祀を仁徳天皇の時代とし、一説には現社地付近を本貫とした阿倍氏の創建ともいう。熊野街道沿いに設けられた熊野九十九王子の一。藤原定家の「後鳥羽院熊野御幸記」建仁元年(一二〇一)一〇月六日条に「指参阿倍野王子先達相伴致奉幣之儀」とみえ、正中三年(一三二六)熊野縁起(仁和寺蔵)に道中王子次第として「安倍野」をあげる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の阿倍王子神社の言及

【阿倍野】より

…天王寺駅北側には天王寺公園,動物園,美術館,図書館などがある。【服部 昌之】
[歴史]
 古くは院政期に熊野参詣古道の駅の一つとしてその名がみえ,熊野社の遥拝所として阿部野王子(現,阿倍王子神社)があった。南北朝初期の1338年(延元3∥暦応1)陸奥から東上した南朝方の北畠顕家が破竹の勢いで青野ヶ原に迫り,桃井直常の奮戦で京都進入をくい止められ,奈良を経て石津で北朝方と激戦を展開,ついに敗死した。…

※「阿倍王子神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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