阿剌吉(読み)アラキ

デジタル大辞泉 「阿剌吉」の意味・読み・例文・類語

アラキ(〈オランダ〉arak)

ナツメヤシ樹液などを発酵蒸留させてつくった酒。エジプト東南アジア・インド地方で常用する。日本には江戸時代オランダ人によって伝えられた。アラキ酒。アラック
[補説]「阿剌吉」とも書く。

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精選版 日本国語大辞典 「阿剌吉」の意味・読み・例文・類語

アラキ【阿剌吉】

〘名〙 (arak) 江戸時代、オランダから渡来した蒸留酒アルコール香気をつけたもの、あるいは、丁子肉桂、ういきょうなどを焼酎につけたものという。アラキざけ。
※俳諧・桃青三百韻附両吟二百韻(1678)「花に嵐あらきちんたをあたためて〈信章〉 胸につかへし霞はれ行く〈信徳〉」

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世界大百科事典(旧版)内の阿剌吉の言及

【アラク】より

…インドやマレーシアなどでは,原料に米,ココヤシ,ヤシの樹液などを用い,ブルボン家ではサトウキビを原料にした。日本では江戸時代にオランダから渡来し,阿剌吉(あらき),阿剌基などと呼ばれ,珍重されていた。スペインではarac,erraca,ポルトガルではaraca,araque,orraca,racなど,英語ではarrack,arakという。…

【酒】より

… 唐代における各地方の銘酒の名は《唐国史補》にあげられ,ブドウ酒など一部のものをのぞいて中国古来の黄酒系の酒でしめられている。今日,〈茅台酒〉をもって最高とされる白酒系の酒は,元代にその製法が南蕃(なんばん)から伝来し,〈阿里乞(アリキ)〉ないし〈阿剌吉(アラキ)〉とよばれて愛飲されたものに由来するという(アラク)。酒造の技術にかんしては北魏の賈思勰(かしきよう)の《斉民要術》,北宋の朱肱(しゆこう)の《酒経》,明の宋応星の《天工開物》などに記述があり,また明代には《酒史》や《酒顚(しゆてん)》などの酒徒の列伝も現れた。…

【焼酎】より

… 焼酎の起源は,西洋の蒸留酒と同様,ヘレニズム文化に求めることができる。中国には元朝(1260‐1368)に,現在の雲南地方から伝えられ,阿剌吉(あらき)または阿里乞(ありき)と呼ばれた。日本への伝来径路としては朝鮮半島説と南方海上路説がある。…

※「阿剌吉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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