阿字本不生(読み)アジホンプショウ

デジタル大辞泉 「阿字本不生」の意味・読み・例文・類語

あじ‐ほんぷしょう〔‐ホンプシヤウ〕【×阿字本不生】

仏語密教根本思想の一。一切諸法本源が不生不滅である、すなわちくうであることを、阿字が象徴しているという考え。

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精選版 日本国語大辞典 「阿字本不生」の意味・読み・例文・類語

あじ‐ほんぷしょう ‥ホンプシャウ【阿字本不生】

〘名〙 仏語。密教の根本の教えで、阿の字はすべての文字の始めであるとみて、これに「本」の義「不生(ふしょう)」の義があるとし、ここから阿字は、一切が不生不滅すなわち空(くう)であるという真理を表わすとして、これを阿字本不生といったもの。→阿字
※往生大要抄(1212頃)「真言の入我々入、阿字本不生の観〈略〉理はふかく、解はあさし、かるがゆへに末代行者、その証をうることきはめてかたし」
徒然草(1331頃)一四四「こはめでたき事かな。阿字本不生にこそあなれ」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「阿字本不生」の意味・わかりやすい解説

阿字本不生
あじほんぷしょう

密教では,宇宙のあらゆるものは「阿」という字音なかに含められるとし,すべてのものが本来存在するもので,原理そのものが現れているのだとする。それらは宗教的には大日如来自身の内面的な悟りと同一であるとする思想。

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