阿字(読み)アジ

精選版 日本国語大辞典 「阿字」の意味・読み・例文・類語

あ‐じ【阿字】

  1. 〘 名詞 〙 仏語
  2. 梵語の母音一二種の最初におかれる音 a にあてられる文字。事物の始まり、根本を意味するとされる。特に密教では、宇宙万物は元来不生にして不滅であるという真理、すなわち空(くう)を象徴するものと考え、阿字(の形、音、意味)を観ずることにより、真理を体得できるとして極めて重視する。あ。
    1. [初出の実例]「阿字第一命」(出典:即身成仏義(823‐824頃))
  3. 胎蔵界曼荼羅の大日如来理法身や、菩提心などを表象する種子(しゅじ)として用いられる梵字。
    1. [初出の実例]「阿字者周遍法界理之種子」(出典:秘蔵記(835頃か))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android