鳴海宿(読み)なるみしゆく

日本歴史地名大系 「鳴海宿」の解説

鳴海宿
なるみしゆく

[現在地名]緑区鳴海町

東海道の宿駅の一つで、熱田みや宿と三河池鯉鮒ちりゆうの間に位置する京から数えて一四番目の宿場。東と西を結ぶ主要な交通路としては、中世に野並のなみ(現天白区)古鳴海こなるみ相原あいはら二村ふたむら(現豊明市)を通る鎌倉街道が知られるが、これがいつ頃南方の東海道に移ったのかは明確ではない。「尾参宝鑑」は「文治の頃已に新道あり(中略)是より三河に移る尾張の道路は、信長公天正三年に修理せしむ」と指摘し、永禄三年(一五六〇)桶狭間おけはざまの戦以降、信長は軍用道路として整備した。

街道の宿駅として公的に成立したのは慶長六年(一六〇一)(地方古義)。鳴海の宿駅は、北から丹下たんげ町・北浦きたうら町・花井はない町・山花やまはな町・さく(「府志」は花井・山花・作町付近を三皿とする)と南へ延び、東に折れておうぎ川に沿って根古屋ねごや町・ほん町・相原町・中島なかしま町・平部ひらぶ町と道筋にLの字に町並が続く。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の鳴海宿の言及

【鳴海】より

…陣屋は1860年(万延1)丹下に移転した。1601年(慶長6)扇川沿いの作町,根古屋町,本町を中心に東海道の鳴海宿が成立した。本陣は本町に置かれたが,33年(寛永10)根古屋町へ移った。…

※「鳴海宿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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