陔余叢考(読み)がいよそうこう(その他表記)Gai-yu cong-kao; Kai-yü ts`ung-ka`o

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「陔余叢考」の意味・わかりやすい解説

陔余叢考
がいよそうこう
Gai-yu cong-kao; Kai-yü ts`ung-ka`o

中国,代に成立した学術書。43巻。著者乾隆帝時代の著名な詩人史学者の趙翼。「陔余」とは親に仕える余暇の意味で,官を辞し郷里に帰って以後二十二史箚記』を書くかたわらに書きためた読書ノートをまとめたのが本書である。史学を中心に経学,文学に関する多くの事項をはじめ,広範な雑事該博な知識によって解説している。原稿が完成してから十余年後の乾隆55(1790)年に,刊行のための自序が書かれている。

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世界大百科事典(旧版)内の陔余叢考の言及

【趙翼】より

…しかし87年台湾に林爽文の乱が起こると,閩浙(びんせつ)総督李侍尭に懇望されて幕僚となり,その平定に画策,乱後は再び官を辞して安定書院の主講となり著述に専念した。その著《二十二史劄記(さつき)》は,正史の記述について考証を加えるとともに独自の史論を展開したもので,すぐれた中国史の概論ともいうべく,また経史にわたる学問的随筆としての《陔余(がいよ)叢考》も有名で,ほかに《皇朝武功紀盛》《簷曝雑記》があり,王鳴盛,銭大昕(せんだいきん)とともに清朝の三大史家とされる。一方,詩名も高く《甌北詩集》《甌北詩話》があり,同時代の袁枚(えんばい),蔣士銓と並称された。…

※「陔余叢考」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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